ほぼ最終決戦!

2007-02-03 17:00:00

主要な中学校の入試は今日でほぼ終了する。多くの受験生にとっては最後の中学受験日だ。もちろん慶応中等部のように、まだまだ結果が出ないところもあるけど、この最終決戦に敗れると全滅という生徒もいる。

ここまで来ると、生徒間の明暗ははっきり分かれている。1日の入試で本命に成功した子どもたちは気軽に残りの受験を楽しんでいるが、1日、2日と失敗し続けている生徒は、プレッシャーで押しつぶされそうな状態で、今にも緊張の糸が切れてしまいそうな奴もいる。

塾講師の仕事は、普段は学力を向上させることが最優先だけど、いまは心のケアに精魂を注ぎ込まなければならない。

「高校や大学受験でがんばる気力があるなら適当に受けて来い。それが嫌なら泣いてでも合格して来い!」

アドバイスの言葉は生徒の性格にもよるけど、現実から目をそむけさせないようにすることが大切だと思う。12歳とはいえ、現実逃避をしていい場面としてはいけない場面の区別くらいはつくはずだ。もし中学受験に失敗したら、高校受験で必ずがんばらなければならない。しかし、中学受験で失敗した理由を自分の外に求めて、がんばれなくなってしまう生徒もいる。成功したらいうことなしだけど、失敗したときのために、泣き面に蜂を与えるような言葉も必要かなと思う。失敗し続けている生徒は、これを機に強くなって欲しい。

Category : 中学受験

決戦!

2007-02-01 17:00:00

朝5時に目を覚まし、7時前に都内私立中学校の校門前で決戦に向かう生徒を待つ。背中とおなか、足の裏にカイロを貼り付け、上腕に学習塾の名前が入った腕章をつける。生徒たちは1月入試を経験しているとはいえ、やはり本番は緊張感が異なるものだ。

集合時間の1時間前。気の早い生徒がやってきた。ずらっとホストのように立ち並ぶ塾講師の群れに最初は驚いた様子だったが、私の顔を見つけると笑顔で走りよってきた。息が白くなるほど寒い朝だったが、しっかりと素手で彼女の手を握った。

「合格して来い! お前が落ちたら全員落ちて学校が破産するぞ!」

と軽い冗談を飛ばしつつ、激励した。生徒は「全員落ちるわけないじゃん!」と、冷静な突っ込みを入れた。十分落ち着いているようだ。

実は毎年、私はこのように冗談をまじえて声をかけるようにしている。緊張は声を出すことによって解ける。生徒を笑わせたり、反論させたりして、声を出させることで緊張が解けたらと考えているからだ。

今日の生徒は冷静に返答し、試験が終わったあとに感想を聞いたが、やはり緊張はしていなかった。これが緊張して手が震えるような状態だと、私が冗談をいっても、「はい」「いってくる」「うん」といった、短い言葉で答えるのがやっとで、まともな会話が成り立たない。そういった生徒は手を握って、目線の高さを同じにして、5分くらい語りかけるようにしている。あまり長時間引き止めておくと、それはそれで問題は起きるので、生徒を引き止める時間には十分に注意しておく必要はあるが、この時間は受験結果を左右する重要なポイントだ。

 

ちなみに、門前激励は生徒を激励することが最重要だが、他塾と競争し、勝たなければならないこともある。こういった裏話は受験が落ち着いたらあとで…。

Category : 中学受験

いざ、出陣式!

2007-01-27 17:00:00

いよいよ2月1日、決戦の日が近づいてきた。大抵の学習塾は1月の28日から30日にかけて出陣式を執り行う。内容は多少異なる部分もあるが、塾講師が訓示を述べて、最後に全員で大声を挙げて「絶対に合格するぞー!」といった内容の掛け声をするのが一般的だろう。この時期になると、生徒たちも1月入試を経験した効果もあり、多くは肝の据わった良い目をしている。

「試験中に緊張して頭が真っ白になることほど馬鹿らしいものはない。緊張するなら、いまこの瞬間にしろ! 俺がお前らの緊張を全部食ってやる!」(体重150kgの塾講師)

「分からない問題が出てきたら、鉛筆を頭の中で転がせ。どうせ分からないなら、分かる問題からやるようにしろ。間違っても試験中に先生のことを思い出してうっとりするなよ!」(イケメン塾講師)

生徒たちにすべて先生のいうことに『はい』と答えろと前置きした上で、「死ぬほど勉強したか!(はい!)合格したいか!(はい!)お前らは合格できる!(はい!)絶対に合格できる!(はい!)俺のことが大好きだ!(えー!)」(頭髪の薄い中年講師)

まぁ、激励の仕方は人それぞれだけど、生徒たちの緊張を良い意味で保ちつつ、余計なものは取り払うような激励が多い。運命の2月上旬、一週間後に笑って会えることを祈るばかりだ。

Category : 中学受験

面接試験対策はお笑い劇場!?

2007-01-21 17:00:00

1月の高校入試の山場は推薦入試だ。毎年、この時期から推薦入試がスタートするので、多くの学習塾では冬期講習会が終わると、推薦入試用に面接対策をする。

教室の一室を試験会場、別の一室を控え室にして、土曜の午前中や平日の授業がない日を見計らって実施する。

中学入試でも面接試験をするところはあるが、こちらは高校受験と比較すると、重要度はそれほど高くはない。まだ受験生が小学生ということもあるので、難関校でも学校側が高いレベルの受け答えを望んでいるわけではないからだ。

しかし、高校入試になると、多少話は異なる。受験生は昔でいえば立派な大人の年齢だ。小学生と違って、それなりに社会性のある受け答えが要求される。

「なぜ本校を志望したのですか? 理由を教えてください」

必ず聞かれる志望動機の質問に、

「○○学園は田舎にあって、校舎がめちゃくちゃ広いことです」

「△△高校は偏差値が高いからです」

「□□学院は………えっと…」

八割方の生徒からはこんな感じの答えが返ってくる。

そういった生徒のほとんどは、「校舎が広ければどこでもいいのか!」とツッコミを入れたり、「偏差値以外に魅力は?」と質問したりすると、黙ってしまうか、笑ってごまかそうとする。まあ、最初から志望動機が答えられないヤツもいるので、それよりはマシだけど。

中には、最初から最後まで、何を聞いても笑い続ける人間もいるし、普通に志望動機を答えられるだけで、面接は受かったも同然の状態になるのに、それが中々できない生徒が最近は増えているように思う。このお笑い劇場が本番で繰り広げられないことを祈るばかりだ。(本番が終わって生徒に感想を聞くと、笑点にも負けない寄席を繰り広げたヤツが大抵いるが、その話はまたいずれ)

Category : 高校受験

最近増えた相談…

2007-01-14 17:00:00

まぁ、毎年そうだけど、1月になって慌てて勉強をまじめに始める生徒がいる。最後までまじめにならない生徒に比べればマシだけど、残り1ヶ月を切っているのだから、手遅れといえば手遅れだ。そんな生徒に限って、親同伴で勉強の相談にやってきたりする。

「先生、あと2週間で成績がアップする勉強法を教えてください。睡眠時間をいくら削ってもやらせますので、お願いします」(母親)

「お願い、先生」(生徒)

親子で口をそろえて「お願い」といわれても、そんな方法はない。でも、無下に「あきらめろ!」とはいえないし、気休め程度に成績を伸ばす方法はある。

「社会に力を入れましょう。特に歴史を覚えまくってください。その他の科目に関しては、感覚を忘れない程度に、過去問題を解くようにしておきましょう」

毎年、我ながら同じアドバイスをしているなぁ、と思うのだが、これが一番理にかなった方法だと思う。最後に追い込みをかけることができる教科は社会だ。その中でも、歴史は入試に出題される範囲が学校によってある程度予想をつけられるので、ヤマを張って勉強するにはちょうどいい。

過去に、「外れても責任は持たない」と前置きをして、大まかにヤマを張ってあげると、それが入試本番で出て、大いに感謝された。外れても恨む人間はそうはいないので、社会を教えている塾講師としては、こんな形で相談には乗るようにしている。

ちなみに、私がヤマを張って的中した確率は10%に満たない程度。そう簡単には当たりません。でも、当たったら本当にものすごく感謝されるんだよ。詐欺みたいだよね。いいのかな(笑)

Category : 中学受験

受験モードの裏側で

2007-01-10 17:00:00

さあ、2月1日まで残すところ22日。追い込みモード全開の受験学年だけど、その裏で社員たちが目の色を変えて取り組んでいる仕事がある。何かって?

多くの塾は小学生なら中学受験が終わる2月、中学生なら3月から新学期がスタートする。ということは、この時期、新学年の生徒獲得の追い込み期間でもあるわけだ。塾によって誰が集客を担当するかは異なるけど、多くの場合校長が主導して行う。普段はのんびりと競馬やパチンコの話をしている校長も、この期間は企業戦士になっているものだ。

塾の社員評価の優劣は、獲得生徒数によって決めるのがメジャーなやり方だ。合格実績をウリにしている会社なら、それも加味されるけど、生徒を合格させたからといって、突然お金が舞い込んでくるわけでもない。やっぱり、新規顧客をどれだけ獲得できたかが塾の収益を大きく左右するし、生徒の母体数が多ければ、必然的に合格実績も良くなる。

夜10時近くまで残って勉強している受験生たちの面倒を見ながら、社員に勧誘電話の指示を出したり、新入生のケアをするために電話をかけたり、目が回るくらい多忙な日々だけど、「働いてるって感じがするなぁ」と、充実感(勤労中毒?)を抱く日々でもあるようだ。

Category : 塾業界動向&裏話

いよいよ一月入試!

2007-01-06 17:00:00

もうすぐ冬期講習会が終わる。いよいよ一月入試の季節だ。

今年のトップバッターは1月8日の中学入試の函館ラサール受験者だ。もう明後日から灼熱の一ヶ月間が始まる。1月10日には合否の結果がわかることを考えると、こちらもドキドキしてしまう。函館ラサールが終われば、千葉県、埼玉県の中学校を中心に本格的な一月入試の期間になり、ほとんどの小学6年生たちが一度は受験を経験する。

5年くらい前までは、一月入試をしない受験生も珍しくなかったけど、最近は必須の状態になっている。2006年の平均受験校数は約6校で、一昔前に比べると2倍以上伸びている。これは保護者たちの経済的な余裕もあるだろうが、上昇志向の高さも表れているのだろう。

受験校を決める面談時に、最近は一月入試である程度通える学校を確保しておいて、2月の本番では高い目標の学校を中心に受けるスケジュールを希望する親が増えている。格差社会がどうのとテレビを賑わしているけど、親はそのあたりにも敏感なようだ。「どこでもいいから私立」というスタイルから「できるだけよい学校」に通わせたいと願う親が増えている。

さあ、今年の受験結果はどうなるのだろう。一年でもっとも熱い季節であるとともに、塾講師にとっては目も回るほど忙しい時期になる。なぜ、忙しいのかは、今月のブログにご注目を!

Category : 中学受験

正月特訓真っ最中

2007-01-01 17:00:00

あけましておめでとうございます。

もちを食べて焼酎をググッといって正月を祝いたいところだけど、受験生にはそんな暇はない。もちろん、受験学年を担当している塾講師もおとそで頬を赤らめている場合じゃない。毎年恒例とはいえ、受験を前にした生徒たちの真剣な表情には感心させられる。

といっても、中にはやはり正月気分の受験生もいる。特に成績の悪い連中に多いのだが、「先生おめでとう」といって年賀状を渡しにやってきて、私が感心していると「お年玉ちょうだい」という馬鹿は、必ずいるものだ。まあ、そういうやつには「お年玉だ」といって大量に課題を出すようにしているので、なんら困るものでもない。

 

私ももう5年以上正月特訓に参加しているが、最近は少子化の影響か、小学5年生や中学2年生など、非受験学年用の正月特訓も増えてきているようだ。私が勤めている塾に限らず、正月特訓や夏合宿の売り上げが総売り上げに占める割合は増えてきている。学習塾側は母体数の少ない顧客層から、あの手この手で収益を得ようとしているのだろう。私個人としてはこの動きは悪いことではないと考えている。収益を上げるために正月特訓などの特別講習に力を入れているとはいえ、参加した生徒と参加しない生徒では、学力に大きな差がつくことは確かだ。今まで生徒以外のために使われていたお金が、生徒自身のために使われるようになっていると考えれば、学習塾の考えも悪い考えではないと思う。

Category : 塾業界動向&裏話

メリークリスマス

2006-12-24 17:00:00

世間はクリスマス!しかし、塾は勝負の冬期講習に備えて、授業準備をする先生たちであふれている。十冊以上ある教科書に講習会中の授業に必要なことをメモっていると、ふと、今頃生徒たちはクリスマスケーキを食べながら楽しく過ごしているんだろうな、と考えてしまう。まぁ、人間だから、自分が苦労しているときに他人の幸せを妬むのも無理はないだろう。「冬期講習会でみっちり勉強させてやる」と心の中で繰り返しながら授業準備をしている。我ながら、淋しいクリスマスだ。
 
でも、やさしい生徒もいる。クリスマスにひょっこり塾に現れると、「先生、メリークリスマス!」といって手作りのクッキーを持ってきてくれたりするのだ。毎年いるわけではないけど、孤独な心に暖かいものが満たされる。だけど、子供は残酷だ。疲れた体にムチを打って授業準備をしている先生たちを一旦喜ばせときながら、「ハズレもあるよ」とかわいい笑顔を見せて、私を見つめる。
 
私たちも慣れたもので、「じゃ、お前も一緒に食え」といって生徒をロシアンルーレットに参加させ、危険?なクッキーを同時にほおばるのだ。大抵は先生の誰かしらが当たって「お前、宿題100倍ね」とかなんとかいって生徒を笑わせるのだが、今年は生徒自身に当たった。あまりにも涙目になってかわいそうだったので、お口直しのジュースをおごった。こいつは、来年はもう少しまともなクッキーを作ってくるだろう。

Category : 愚痴、その他

個人面談シーズン

2006-12-20 17:00:00

今までいくつかの塾を渡り歩いてきたけど、この時期はどの塾も個人面談シーズンだ。個人面談に対するスタンスは塾それぞれ違うが、保護者の不満解消(ガス抜き)に重点を置いているのは変わらない。受験学年であれば、この時期、保護者が塾をやめるということは多くはない。しかし、非受験学年になると、学年更新の時期も重なって、退塾が一番出やすい時期でもある。
 
そんなこんなで、毎年12月は所属長(室長)がピリピリしている。とにかくこの時期にどれだけ退塾者を出さずに入塾者を増やすかが、彼らの腕の見せ所なのだ。塾生を増やす方法は人それぞれだけど、保護者と担当者がお互いに会話をして、わだかまりを解消するのがオーソドックスな方法だ。保護者のガス抜きに成功する秘訣は、聞き役に徹すること。
 
具体的に言えばホストや医者みたいになって、相手の意見を全面的に肯定し、自分の解決策を提示するようにすること。たとえば「うちの子が勉強しません」というように保護者が言った場合、「いや、勉強してますよ」とは言わずに、「じゃ、毎週金曜日に塾の自習室に来させましょう」と答える感じで、弁解よりも未来に対する指針を示してあげることが大切です。こうすれば、大抵の親は納得します。ただ、その後、改善しなければ、結局やめちゃうんだけどね。

Category : 塾業界動向&裏話

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